結露対策研究室
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一般的なペアガラスと真空ガラススペーシアの違いについて

真空ガラススペーシアについて

真空ガラススペーシアとは断熱効果、結露対策効果を求めた「リフォーム用ガラス」として最高性能の日本板硝子の断熱ガラスです。 「リフォーム用ガラス」とは、今の窓からガラスだけを交換できる品種の事を言います。

真空ガラススペーシアの断熱効果は1枚ガラスに比べてなんと4倍、従来のリフォーム用アタッチメント付きペアガラスに比べても2.5倍から3倍以上の性能があります。

スペーシアの構造

スペーシアの構造と通常ペアガラスの構造の違い

従来型の断熱ペアガラスの場合、ガラスとガラスの間の中間層が空気層またはガス層であった為、 一般的には6mm以上の距離を離すためにガラスの総厚が厚くなってしまって、 アタッチメントなどの特殊部材を使わないと今のアルミサッシにはめ込む事ができませんでした。

しかし、真空ガラススペーシアはガラス間の中間が0.2mmの真空層なので総厚が薄くアタッチメントなしでそのままハメ変える事ができます。 ※今のアルミサッシ・・・一般的なシングルガラス用のサッシを指します

スペーサーの有無

断熱性能を上げる3つのポイント

以外にわかりづらい「遮熱」と「断熱」を簡単にご説明します。 住まいの熱効率で、最も設備の消費エネルギーが高いのが暑さを防ぐことです。エアコンの効きが悪いなど遮熱に注目が高まっており、省エネ達成率など独自の表示で選ぶ時代になってきています。しかし遮熱と断熱を混同して間違った理解をされている場合が多く、正しい理解をしていないと間違った対策をしてしまう場合があります。

「遮熱」(色付き文字)の主な目的は、夏場に熱の侵入を防ぐ事です。対策方法は日射を透過や吸収をしないように反射などで室内に入れないことです。壁を伝わってしまった熱は人が感じやすい長波長放射により伝わります。 窓ガラスで遮熱をするには、日射熱を反射するLow-eガラスを使うことです。Low-eガラスが熱線を反射・吸収して透過量を抑える事で日射の伝わりを防ぎます。

「断熱」(色付き文字)の主な目的は、冬場に熱が逃げるのを防ぐことです。室内からの暖かさが逃げること、屋外からの冷気が入ることの両側面があります。対策方法は、壁の内部を伝わっていく熱の量を小さくすることです。遮熱が光学的性能に対して、断熱はそれに追加してより以上の伝わる仕組みがあります。

窓ガラスで断熱性能を上げるには、電導・対流・放射の3つの要素をすべて制御する必要があるのですが、 真空層であることが電導と対流を防ぐ事に貢献し、更にLow-e膜が放射熱も防ぐ事によって窓ガラスとして最高性能を実現することができました。

伝導、対流、放射

真空ガラススペーシアの特徴

結露対策効果No.1
1枚ガラスの4倍の断熱性で、結露を大幅に防ぎお部屋の暖かさをキープします。

風圧強度が高い
真空構造は風圧強度に強く戸建てはもちろん今までのペアガラスでは施工が困難であったタワーマンションまで施工が可能です。

防音性能も良い
従来のペアガラスの場合、ガラス間が共鳴してしまい防音性に弱く、1枚ガラスよりも音を通してしまう問題がありました。 それに比べて真空ガラスの場合には、真空層が合わせガラスと同じくらい強力でガラスの共鳴をさせないので防音性能も向上します。

スペーシア3種類のラインナップ
最もスタンダードな「真空ガラススペーシア」、防音が合体したハイブリットタイプの「スペーシア静」、 ペアガラスサッシ向けの「スペーシア21」があります。

更にそれぞれに高断熱遮熱タイプのスペーシア、高断熱高遮熱タイプのスペーシアクールがあります。
※スタンダードな真空ガラススペーシアにはLow-e膜があるため、ある程度の遮熱効果があります。

リフォームする際に合うサッシについて

真空構造でガラスが薄いので今お使いのサッシ(シングルガラス用サッシ)にそのままはめ込む事ができます。 もちろんアタッチメントなどの部品も必要ありませんのでマンションのような共用部への施工も外観上問題もございません。

「スペーシア静」はマンション専用となります。「スペーシア21」については、今お使いのアルミサッシがペアガラス用である必要があります。

窓の断熱リフォームにスペーシアをオススメする場合の条件

・温熱等級の高いマンションの場合
・窓ガラスの半分以上まで結露が出ている住宅の場合
・アタッチメントが使えないマンションの場合
・窓際の寒さを大きく軽減したい場合

ペアガラスについて

ペアガラスとは1980年頃からある断熱ガラスです。現在も新築の標準グレードとして設定される事が多いです。 既存サッシへの取り替え「リフォーム用ガラス」としては総厚12mmからとなるのでアタッチメントと呼ばれる部材が必要になります。 断熱性は1枚ガラスの1.5倍~2倍の性能があります。

ペアガラスの構造

ペアガラスの構造図

2枚のガラス間に空気が入っていて端末部分には乾燥剤の入ったスペーサーが挟まっています。 厚みは12mm以上になるので今のシングルサッシにはめる事ができません。 今のサッシに入れ替えるにはアルミ製のアタッチメントという部材が、もしくはペアガラス用アルミサッシが必要になります。

ペアガラスにはLow-e膜があるものとないものに別れます。Low-e膜があるものに関しては電導・放射の二つの要素をある程度制御できるので中程度の断熱性能があります。 Low-e膜がないペアガラスに関しては、電導の一つの要素しか防げないので1枚ガラスの1.5倍の性能しかありません。

ペアガラスの特徴

中程度の断熱性
1枚ガラスの1.5倍から2.2倍の断熱性しかない為に、結露は軽減できるレベルでスペーシアのように結露を防ぐにはいたりません。 またお部屋の暖かさも同様で窓際の寒さを感じないほどの実感は難しいです。

風圧強度は上がらない
中間層が空気の為、空気層部分に弱点がありスペーシアに比べて35%以上風圧強度が低くマンションのような大きな建物に施工できる強度がありません。

共鳴が防音効果の弱点
標準のペアガラスの場合、2枚のガラスの厚みが等しく、振動を伝えやすい空気が入っている為に片側に伝わった音をもう1枚のガラスへ共鳴する事で室内外に伝えてしまい、 3mm厚の1枚ガラスよりも防音性能が低くなる点は注意が必要です。

リフォームする際に合うサッシについて

標準的なアルミサッシのガラス溝幅は、戸建て住宅は9mm、マンション用は14mmが標準です。ペアガラスの厚みは12mm以上になるので戸建て住宅にしてもマンションの場合であってもアタッチメントが必要になります。(ペアガラスがそのまま入るサッシ溝幅は16mm以上です)

窓が共用部になるマンション(集合住宅型)の場合には、意匠の観点からアタッチメントの仕様を規制されている場合があります。管理組合様への確認が必要となります。

窓の断熱リフォームにペアガラスをオススメする場合の条件

・窓ガラスの結露が多い時でも窓の半分以下の場合
・アタッチメントの問題のない戸建ての場合
・窓際の寒さをあまり意識していない場合

ペアガラスの違い まとめ

バランスが大切です

この様にペアガラスには種類があることがわかりました。種類のベースとして構造が違う事、構造が違うことによって性能が違うこと、性能の違いによって効果が違うことです。性能の差は結露対策効果としてかなり大きく、差上級の真空ガラススペーシアであってもオーバースペック(過剰な性能)では決してありません。理由は真空ガラスのさらに4倍、壁の断熱性能が高いためです。

ペアガラスが入っている方からのご相談が多い

ペアガラスさえ入っていれば、「暖かく結露しない」という認識は正しくなく、性能を確認して問題を解決できるペアガラスなのか判断する必要があります。実例として、ペアガラスを使っているお客様からのご相談が少なくない事が挙げられます。新築の建物や、過去にペアガラスに入れ替えた方からのご相談の原因は、断熱性能の不足なのです。

ペアガラスは強度と音にも注意

窓は明かりを取り入れるだけではなく、建物の壁の一部です。そこには強度も必要ですし、遮音性の問題など気づきにくい性能の違いがあります。結露対策目的がきっかけで窓ガラスをペアガラスにリフォームする場合には、断熱効果以外のメリット・デメリットも知ることが後悔のないリフォームになります。

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