真空ガラススペーシアの施工できる所とできない所
真空ガラススペーシアの施工ができない所
真空ガラススペーシアは、一般的な「窓」には全て取り替えができますが、一部スペーシアの構造特性上施工できない窓があります。 施工できない窓は次のようなケースです。
四辺支持以外の窓
通常の窓はガラスの4辺をアルミサッシフレームに囲われていますが、コーナー突き合わせ窓のような3辺支持や、 ガラスの端部を露出させるような施工はできません。ガラスルーバー窓も施工できない窓です。これはスペーシアの構造上端末部を接着剤で保護しているため、 その部分へ直接負荷が掛かった場合に、強度が不足して破損の恐れがある為です。
端部が露出するような開口部へ施工する場合には、方立てを取り付けて四辺支持にする方法がございます。 ご相談ください。
異形の窓
真空ガラススペーシアは、通常のペアガラスと異なり四つの角が90度以外の異形(台形、半円など)は製作する事ができません。
垂直面以外の窓
お日様から見て垂直面である「一般的な窓」以外の特殊な場所へは施工ができません。 例えば、トップライトのような屋根のガラス部分は、垂直面の窓の比べて太陽からの日射を強く受けるのでガラス面の膨張や熱割れ、自重割れなど 安全面から施工できません。ただし、垂直面から見て、30度以下の軽微な傾斜窓への施工は一部できる場合がありますので、ご相談ください。
組子格子付きの窓
洋風デザインのアルミサッシで格子のような飾りが付いたものがあります。 格子が付いていると、必ずしも施工できない訳ではありませんが、断熱性が高く、 反り現象の起こる真空ガラススペーシアの場合施工できない場合があります。その理由は、格子が動きを押さえつけることで熱割れを起こす可能性があるためです。ただし、格子が脱着できるサッシの場合、格子を外す事で施工は可能になります。
大きな窓への分割施工
スペーシアの製作範囲を超える窓へ分割してスペーシアをはめる事はできません。
お客様からよくいただく入れ替えが可能かどうかの質問
マンションの場合
リビングのとても大きい窓へ施工できますか?
標準的なスペーシアの場合、10.2mm厚網無し透明タイプで最大製作寸法は3000mm×2000mmです。 この寸法は縦横どちらでも製作可能です。 この最大製作寸法はガラス構成、厚み構成により変わります。 施工する開口部の必要耐荷重を計算し、スペーシアの厚みを検討する必要があります。 また、大きな窓への施工は搬入ができるかどうかの問題があります。エントランスからエレベーター、場合により階段搬入、 そして玄関からの運び込みなどの確認が必要になります。
今のガラスは針金入りの防犯タイプだけど・・・
今のガラスに針金が入っている場合、防犯ではなく建築基準法によるものです。 法令上延焼の恐れのある開口部は防火設備が義務付けられ、施工するスペーシアも防火タイプ選択しなければなりません。 スペーシアには防火網入りタイプがありますので、透明、不透明お選び頂けます。 マンションのビル用アルミサッシでしたらアタッチメントなしで入れ替えもできます。
腰高窓の外にベランダがないけど取り替えできますか?
一般的なアルミサッシは水密性と水はけの問題で窓は、外側にしかはずれない事が多いです。 窓の外にベランダがあれば全く問題ないのですが、ない場合作業中の落下事故の防止のため二人作業が必要な場合があります。
マンションでFIX窓の場合交換できますか?
FIX窓の場合、引き戸のようにサッシ扉を外す事が出来ませんので、基本的には交換する窓の内外両面から作業ができる環境が必要です。 仮にガラスの入れ替えを室内側から出来た場合でも、ゴムパッキンやシーリング接着剤の仕上げ施工を際に窓の外部に出れないと仕上げ施工ができません。 マンションの一階部分なら問題ありませんが、二階以上のFIX窓を交換する場合には、大規模修繕などのタイミングで足場のある時期が良いでしょう。
戸建ての場合
出窓の両脇についてる小さい開かない窓へは取付できますか?
出窓のように幅の小さな窓の場合には、室内側より交換できる場合が多いです。 このFIX窓の場合、フレームごとは外すことはできないのですが、ゴムパッキンをはずすと押し縁と呼ばれるフレームが何カ所か外れるので、 スペーシアも問題なく入れ替える事ができます。 スペーシアの最小製作寸法は335mm×120mmなので今の窓ガラスの見えている幅が106mmくらいの小さなものまで施工できます。
アルミサッシではなく木製の建具に取付できますか
標準的な木製建具の場合、はめる事のできるガラスは、2mmから5mm程度の仕様が多いです。スペーシアの厚さは標準で6.2mmですので広い溝幅が必要な条件となります。四方押し縁仕様の建具でガラス溝が10mm程度ある事が、施工のできる条件です。 また、内観右上の保護キャップがあるため、スライドさせて入れるタイプの木製建具へは施工ができません。