自宅に入るガラスを調べる為に必要な今入っている窓ガラスの厚さの測り方
マンションでのガラス交換にあたって
窓は建物において、外壁と同じ役割を持っています。 採光と採風の機能性、そして水密性と強度の実性能です。 建物内外を隔てる窓には、常に気圧という重さが掛かっていますので台風などの強風によって生ずる風圧で破壊されないよう、十分な強度を持つガラス厚を選定する必要があります。
特に、マンションでのペアガラスへの交換の場合には重要です。この理由はペアガラスの強度の低さによるものです。
設計風圧力を確認するには
窓ガラスに必要な設計風圧力は、地域や建物の大きさ、窓環境によって決まります。さらに実際に設置する階高と窓サイズ、施工方法によっても異なりますので正しい知識で判断が必要です。
基本的には、今はまっている窓ガラスの厚みを確認し、その強度以上のペアガラスを選ぶことです。そうすれば今まで以上の許容荷重となり強度低下がありません。
ガラス厚の測り方
テーブルトップのようなガラス板や、窓ガラスを外している場合でしたら誰でも簡単に定規やノギスでガラス厚を測る事ができます。 しかし、アルミサッシの窓枠にはまった状態では目視でそのガラス厚を判断する事はできません。
お客様からのご質問で、「見た目でガラス厚が薄く見える」と言われます。これは、板硝子特有の現象で外の反射を内面に写し込む特性があるためです。 海でシュノーケルマスク越しに海中を覗いた時に、海の中がお大きく見える事と同じ現象です。 ですから見た目だけでガラスの厚さを判断することが出来ないのです。
そこで私達ガラス工事店が使っている専用のガラス厚測定ゲージを使ってサッシにはまっている窓ガラスの厚さを、簡単に測る事ができますのでご紹介いたします。 ガラス交換する場合に、高い許容荷重が求められるタワーマンション29階の例です。
画像の様に、既存ガラスは単板フロートガラス6.0mmでした。 フロートガラス6.0mmの許容荷重P×Aは、4500Nですので、それを上回る許容荷重の真空ガラススペーシアを選定します。
真空ガラススペーシア
6.2mm厚の場合 許容荷重3500(N)
8.2mm厚の場合 許容荷重5760(N)
よって、単位面積が決まっている場合には許容荷重の比較になります。 このタワーマンションのこの窓へは、スペーシア8.2mm厚が必要という判断が出来ました。
板厚シュミレーションソフトを使う方法
ガラスを入れ替える場合に、今の窓ガラスの厚さを測定し許容荷重を比較しガラスの強度を確認する方法をご紹介しました。 この方法は、間違えのない方法ではありますが、窓ガラスの大きさによっては大雑把な判断となる場合もあります。 その理由は、窓ガラスの見付寸法(面積)です。
窓ガラスに求められる設計風圧力は、単位面積によるものですから、設置する窓ガラスの見付面積で割り戻すと1ランク低いガラスでも対応可能な場合があります。 工事ご依頼の際には、シュミレーション計算も承りますのでご相談下さい。
様々なペアガラスの許容荷重比較
一般ペアガラスの弱点
中空層が空気またはガス層のペアガラスの弱点は、風圧力に対する強度の低さです。表の通り、中低層マンションでも4+4mm構成のペアガラスが必要であり、アタッチメントを含めると断熱性能の不足が懸念されます。構造的に応力が小さいことが原因です。
真空ガラスのメリット
こちらのタイプは中空層が真空構造なため、断面二次モーメント損失がとても小さいことが最大のメリットです。真空構造は、板ガラスで言えば合わせガラスと同じくらい応力が大きい為、高層マンションの様な窓へも交換ができる性能を持っています。
これらの事からも、真空構造の優位性が証明できます。